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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

いまだに続く「すべからく=すべて」の誤用

もう、この手の誤用だけでなく、SNS上の文章は誤字誤用、文法めちゃくちゃだらけなので今さら言っても空しいが、毎度言われているように「すべからく」は「すべて」の意味ではまったくない。「須(すべか)らく~べし」というのが完全体で、(ぜひ~する必要がある)の意味である。「すべからく」は「すべきことは」の意味であって、「べし」で重ねて強調するのが漢文的表現。日本語でも「すべて」の意味になることはない。あくまで「ぜひ~する必要がある」の意味である。
ちなみに、タイトルに使った「いまだに」だが、これには二種類あって、「未だ(に)~否定語」と「今だに(今+副助詞だに)」がある。前者では「未」を使い、後者では「今」の漢字を使うべきだが、後者の書き方をするとかえって誤用扱いされるので、「今でも」とするか、「いまだに」とひらがなで書くほうが無難だろう。もちろん、否定語を伴わない文脈で「未だに」を使うのは誤用である。漢文では「未」自体が再読文字で打ち消しの意味を含んでいる。

(以下引用)論旨自体に反対しているわけではない。「人間はすべからく犯罪を犯す」は「人間はぜひ犯罪を犯す必要がある」という意味になる。なお、「犯罪を犯す」はできれば「罪を犯す」としたいが、「馬から落馬する」や「頭痛が痛い」ほど明白な重言ではないだろう。語調的に「犯罪を犯す」と表現したい気持ちはよく分かる。


雷華
@rairai345
「犯罪を犯す可能性が0%でないならば、それは規制するべき」という旨(かなり意訳)を見かけたが、犯罪心理学において人間はすべからく犯罪を犯す可能性はあるので、その理論で行くとどんな人間でも規制することが出来てしまうので、私は危険な思想だと思いますね。
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