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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「ない」とはいっても違いはある

このブログの「常識でない常識」の項目などは主に若い人へのアドバイスを念頭に置いて書いているが、余計なお世話と思われることは覚悟の上だ。だが、些細な知識が案外役に立つというのが私自身の生活信条なので、落語の説教好きの大家のような話をいつもしているのである。
下に書くのは、国文法の話なので、興味がまったく無い人がほとんどだろう。

SNS上での誤字はほとんど治外法権状態というか、無法地帯状態なのだが、中学生レベルの文法は知っていたほうが、仕事で文章を書く時に役に立つ。それは、誤字なら辞書で分かるが、中学時代の薄い国文法の副読本などを保存している人はいないからだ。
最低限、覚えていたほうがいいのが、「ない」の区別である。

1:形容詞の「ない」:これは物事が「存在しない」意味で、「無い」と書いていい。
2:助動詞(と言っていいかどうか)の「ない」:これは動詞にくっつけて用いる(動詞を否定する)もので、漢字で「無い」と書いてはいけない。(「行か無い」「歩け無い」ではなく、「行かない」「歩けない」のように書く。まあ、通常はコンピューターが自動補正する。)
3:動詞の「なくす」:これは「無くす」と書いていい。自立語(語幹になる言葉)は漢字で書ける。

*確か、2の「ない」は助動詞ではなく、「補助形容詞」と言ったかと思うが、用法としては助動詞である。もちろん、国文法の助動詞であり、英文法の助動詞とはまったく違う。
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