精神病院は「社会という地獄」からの逃避の場所
精神病患者や家族の実情がよく分かる。ブログ筆者自身、父親が精神病者で、ご自身も精神の病を患っているらしいが、非常に知性の高い人でもあることが文章から読み取れる。
特にこの記事内容についての私自身の意見は無いが、強いて言えば、精神病患者が病院に入ると良くなり、社会に戻るとまた悪化する、という事実は、薬や治療で良くなったというよりも、「社会で生きるストレス」が精神病を生むのではないか、と想像させる。
実際、思春期の私がいつ自殺しようかと思い悩んでいたのは、自分のような人間がこの社会で生きられる自信がまったく無く、「生きる不安」に圧迫され続けていたからである。当時の私は「思春期精神病」だったと見做すこともできるだろう。
(以下引用)
むしろ家族のほうが死んで欲しいと思ってる問題
周囲に多大な迷惑をかけるタイプの(パーソナリティ)障碍者は「死にたい」と思っていなくて、家族・周囲のほうが死んで欲しいと思っているのではないかと思います。むしろ「(自分が周囲に迷惑をかけているから)死にたい」というタイプの人には、何とか対処法を見つけて、生きていてほしいなと思ってしまう自分もいます。でも、本人のつらさは本人にしか分からないのですから、それも、私の気持ちの押し付けにすぎないとも思います。
家族や周囲の人が、患者に「死んで欲しいと思ってしまう問題」は当事者にしか分からない話です。これは、(特に認知症の家族に)介護疲れした家族が要介護者に死んで欲しいと思ってしまう状況に似ています。
大変、失礼な言い方ですが、老人はある程度余命が見えていますが、発達障碍者や精神障碍者はどこまで長生きするか全くわかりません。もしも、私の父が生きていたとしたら、と思うと正直ゾッとします。現在のように精神医療や福祉の体制が整っている時代でも、家族会の人たちは家族の病気のために苦しんでいるのが現実です。
入院したら状態が良くなるという現実
精神病患者の家族会の人たちの話によると、発達障害からの二次障害で精神病になる人も少なくなく、特に統合失調症の患者さんは薬を飲みたがらない、あるいは全力で拒否する人も多く、どんどん悪化させていたりします。
結局、家族会の方々のお話によると、入院して退院した直後が一番、状態が良いとのことです。(ただし、正しい治療を行っている病院に限る。)私も精神病棟に何回か入院していますが、入院すると休養が取れる上に、治療に集中できるので非常に状態が良くなりました。早く退院したいという患者さんもいましたが、1人暮らしの精神病で働くことも、食事も、服薬も、自分ではコントロールできない状態だった私としては「三食昼寝付き、エアコン付きで、掃除も風呂洗いもシーツ交換も他人がしてくれるなんて、ここは天国かよ。」と思ってました。
さらに、精神病棟での、初期から中期の統合失調症患者の回復具合は目を見張るものがありました。また、私の父のような重度の人が少ないのにも驚きました。早期発見早期治療ができている人たちが入院していたためでしょう。また、慢性の人も父ほどの症状の人はいなくて驚きました。
精神病者をどこかに閉じ込めるなんて良くないみたいに考える人もいるかもしれませんが、本人の病状は滅茶苦茶良くなるし、家族は患者の面倒を見なくて良くなるしで、いいことずくめに見えました。ただ、問題なのは本人が入院生活を嫌がって早く退院したがること。精神病院は食事の時間も決まっており、栄養バランスの良い食事を3食食べ、外出禁止の人は買い食いできません。さらに薬も決まった時間に必ず飲ませるので、良くなるのだと思いますが、本人がそれがとても良い環境だと気づけないことは残念なことだったりします。