動物の血圧
動物の中で高血圧として有名なキリン。しかし、実は彼らよりも血圧が高い生き物がいるのをご存知ですか?
人間の一般的な血圧の正常値は、140/90mmHg未満といわれていますが、動物は一体どれくらいの血圧なのでしょう。
今回は血圧の豆知識として、動物たちの血圧について紹介します。人間と比べて動物たちは一体どれくらいの血圧なのかを知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
高血圧な動物
ここではキリンを始め、高血圧な動物を紹介します。鳥類などは羽を動かすのに血液を送る必要があるため、動物の中でも血圧が高いですが、他にはどのような動物が挙げられるかみていきましょう。
キリンの血圧
キリンは最高血圧が260mmHg、最低血圧が160mmHgといわれています。これは人間の正常値である90~140mmHgと比べて、かなり高い数値であることがわかるでしょう。
高血圧の理由として、キリンの頭は高い位置にあるので、そこまで血を送る必要があることが挙げられます。心臓から脳までは約2mもあるため、脳まで血流を押し上げるには高い血圧が必要だというわけです。
また高血圧でもキリンに悪影響がないのには理由があります。キリンの首には弁がついており血の逆流を防ぐのです。またワンダーネットと呼ばれる網目状の毛細血管があり、それらは急激な血圧の変化を吸収してくれるので、首を上げ下げしても立ちくらみをしません。
ゾウの血圧
同じく体の大きいゾウも血圧が高いことで知られています。しかし、キリンほど心臓から頭までの距離が離れていないので、最低血圧がおよそ120mmHgであり、最高血圧は180mmHg。
これは人間の血圧段階に当てはめるとⅢ度高血圧の状態です。他の高血圧な動物より比較的人間の血圧に近いものの、正常値と比べると高い血圧といえます。
また人間とゾウの血圧を比較すると、体の大きさはあまり血圧の高さに影響を与えないといえるでしょう。
七面鳥の血圧
一般的に鳥類は血圧が高めなのですが、なかでも七面鳥は、最高血圧が300~400mmHg、最低血圧は200mmHgと群を抜いて高いです。
現時点でもっとも高血圧な生き物は七面鳥なのですが、なぜここまで血圧が高いのか、原因はまだ特定できていません。
現在有力な説として、鳥類に共通する羽を動かすためという理由以外に、体の大きさに比べて心臓が大きい、また血液がドロドロして流れにくいという2つが挙げられます。
低血圧な動物
高血圧な生き物に対し、魚類や爬虫類などは血圧が非常に低いです。今回はその中でもとくに血圧が低く、人間では考えられないような低血圧な生き物を紹介します。
魚の血圧
魚は海の中にいるため、そもそも血圧が低い傾向にあり、平均的な血圧は約20~40mmHgと言われています。なかでも研究の進んでいるニジマスの血圧を例に出すと、32~40㎜Hgなので、高血圧な陸の動物たちと比べて、かなり低い数字であるといえるでしょう。
哺乳類などが体に血流を巡らせるのに対し、そもそも魚類は血液を巡らせる必要がないので、低血圧なのは当然の結果ともいえます。また水の中では浮力が重力を相殺してくれるので、血圧を上げる必要がないのも理由のひとつです。
トカゲの血圧
低血圧な爬虫類としてはトカゲが挙げられます。トカゲたちはおよそ10~14㎜Hgと低血圧な上に、最低血圧と最高血圧の差がほとんどないのが特徴です。
カエルの血圧
カエルは最低血圧が20㎜Hg前後で、最高でも30㎜Hgまでしか上がりません。カエルもまた水の中で生きているので、血圧を上げる必要がないと考えられています。
しかし、これらの爬虫類の血圧に関しては、まだ多くのデータなどがない状態なので、これからの新しい発見に期待が寄せられている状態です。
まとめ
生き物によって血圧に大きな差があることがわかりました。これらの違いは、陸や海などの環境に適応して生き抜くために生じた差であり、他にもさまざまな理由があります。
今回は血圧の豆知識として紹介しましたが、この記事を読んで興味が湧いた人は、ぜひ他の動物の血圧も調べてみてください。