忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

こむらがえりの応急処置




痛い「こむらがえり」の正しい応急法…繰り返すなら服薬、注射も

配信

読売新聞(ヨミドクター)

漢方薬に速効性

 治療は、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が第一選択である。速効性があり、ゴルフのプレー中であっても、服用すれば10分で効果が表れる。たちまちつえが要らなくなることから、“去杖湯(きょじょうとう)”とも呼ばれているのだ。しかし、芍薬甘草湯を長期間にわたって連用すると、その成分の甘草が高血圧症や低カリウム血症、浮腫などを引き起こすことがあり、注意を要する。この場合、甘草の含有量が少ないヨク苡仁湯(よくいにんとう)を用いるべきである。

 私の施設では、繰り返し起きるこむらがえりには、腓腹筋やヒラメ筋への低周波通電療法、あるいは同部にある「承筋」(ふくらはぎの最もふくらんだところ)、「承山」(指をアキレス腱(けん)から上に滑らせると最初に止まるところ)といったツボへのはり治療、局所注射を行っている。血液透析を受けている方などでは、深腓骨神経ブロック、腰部交感神経節ブロックなどを選択することもある。

野菜やフル-ツ、海藻類を

 ご自身で行う応急処置は、寝床のなかであれば、膝を伸ばして足の親指を手前に引っ張ることである。承筋、承山を指で強く押さえてみるのもひとつの手だ。加えて、蒸しタオルで温めることも有用である。

 日常においては、カリウム、カルシウム、マグネシウムを補給しておくために、野菜やフル-ツ、海藻類、小魚、牛乳などをバランスよくとるように心掛けることである。偏食はいけません。スポ-ツを始める前には準備運動を、プレー中にはスポーツドリンクなどによる水分と電解質の補給を励行すべきことは言うまでもない。

 同じような症状に、ドパミン(神経伝達物質であるカテコールアミンの一種)の不足で起きる「むずむず脚症候群」があるが、この場合には、つったように感じるものの、筋肉は収縮していないので、触ってみても筋肉は硬くなっていない。また、関連する病気として「全身こむらがえり病」(別名「里吉病」)がある。この病気は9~15歳の若い方に発症し、全身の筋肉の痙攣に加えて、脱毛、下痢などを生じる。原因は不明だが、筋弛緩(しかん)薬のダントロレン(ダントリウム)やバクロフェン(リオレサール)の内服が有効である。

PR