漢方薬に速効性
治療は、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が第一選択である。速効性があり、ゴルフのプレー中であっても、服用すれば10分で効果が表れる。たちまちつえが要らなくなることから、“去杖湯(きょじょうとう)”とも呼ばれているのだ。しかし、芍薬甘草湯を長期間にわたって連用すると、その成分の甘草が高血圧症や低カリウム血症、浮腫などを引き起こすことがあり、注意を要する。この場合、甘草の含有量が少ないヨク苡仁湯(よくいにんとう)を用いるべきである。
私の施設では、繰り返し起きるこむらがえりには、腓腹筋やヒラメ筋への低周波通電療法、あるいは同部にある「承筋」(ふくらはぎの最もふくらんだところ)、「承山」(指をアキレス腱(けん)から上に滑らせると最初に止まるところ)といったツボへのはり治療、局所注射を行っている。血液透析を受けている方などでは、深腓骨神経ブロック、腰部交感神経節ブロックなどを選択することもある。