車のA/Cスイッチ
(以下引用)
冬のカーエアコンは“無料”? 車内を温める「画期的な仕組み」があった! 押すと「燃費が悪化するスイッチ」正しく使うには?
夏と冬で異なるカーエアコンの仕組み
冬になると外気温が低下し、クルマの運転中も車内温度を保つために暖房を使用する頻度は高まるものです。 一方で夏の車内も、冷房なしでは過ごせないほど車内が暑くなってしまうなど、季節を問わずカーエアコンを使用しています。 では、カーエアコンを使うことで燃費にどのような影響を与えるのでしょうか。 【画像】「えぇぇ!」これが「押すと燃費が悪くなるボタン」です!(22枚)
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冬のカーエアコンはほぼ無料だった!?(イメージ)
そもそも、クルマのエアコンが車内の温度を調整する仕組みは暖房と冷房で異なります。 ガソリン車やディーゼル車など、内燃機関を持つクルマの場合、冬の暖房の熱源になるのはエンジンから発せられる熱です。エンジンは動いているだけで熱くなるので、冷却水を利用することによって温度を一定に保っています。 エンジンによって温められた冷却水は風によって車内に送り込まれ、車内の温度を上げることが可能。そのため、冬場はカーエアコンをつけなくても暖房を使用することができます。 暖房はエンジンからの排熱を利用しているだけなので、エンジンに負担をかけているわけではありません。そのため燃費には影響せず“ほぼ無料”といえるでしょう。 一方で、冷房はカーエアコンをオンにして空気の冷却と除湿を行うことによって車内の温度を下げています。 除湿をする時に必要になるのがコンプレッサーという装置です。これにはエンジン出力の一部が必要になるため、カーエアコンを使用する冷房は燃費に悪影響を与えてしまいます。 それでは、燃費を悪化させないように効率的にカーエアコンを使用するためには、どのようなことをすればいいのでしょうか。 日本自動車工業会の担当者は基本的なガソリン車でのエアコンの使い方について次のように話します。 「冬に暖房を使用する場合には、カーエアコンのスイッチである『A/Cボタン』をオフにするといいでしょう。 例えば、車内の温度設定が外気と同じ25度であっても、エアコンスイッチをオンにしたままだと12%程度燃費が悪化します。 また、夏に冷房を使用する際には車内を冷やしすぎないようにするのがポイントです。 一般的に夏は、内気循環を活用する方が暑い外気を冷やす必要があり、室内も冷えにくいので、カーエアコンの仕事が増えることになります」 A/Cボタンは、「Air Conditioning(エアーコンディショニング)」の頭文字をとったもので、「カーエアコン」を作動させるためのスイッチです。このボタンを押すとエアコンのコンプレッサーが作動する仕組みになっています。 コンプレッサーはエンジンの動力を利用して冷媒を圧縮し、冷気を発生。この冷気がファンで送られて、冷たい風が出てくるのです。 このA/Cボタンが最も活躍するのは夏場ですが、実は冷房機能が使えるだけではなく、除湿機能も同時に働いており、湿気を取り除いてガラスが曇るのを防ぐ効果もあります。 そのため、夏場はオン、冬場はオフにして、除湿が必要なときにオンにするのがベストな使い方だといえるでしょう。 では、エンジンが搭載されないEVではどのような対処法があるのでしょうか。 前出の担当者はこのように話します。 「EVは排熱を利用できない分を補うために、各社にはよりますがPTCヒーターやヒートポンプ技術を採用してエアコンを稼働させています」 PTCヒーターとはクルマを始動させた直後に、先行して電気を用いて温める装置です。そのため、動力はエンジンではないので燃費には関係ありません。なお、電気を使用しているため航続距離が多少短くなるといった影響が考えられます。 また、ヒートポンプ技術に関しても電力を消費するのは暖房自体ではなくポンプに対してのみとなります。そのため、使用した電力に対してより暖房の効果を得ることが可能です。 そのため、ヒートポンプ技術を装備しているクルマでは燃費を気にせずにエアコンを使用することができます。 ※ ※ ※ 燃費が悪化するのを気にしてカーエアコンを使用しないでいると、除湿ができず特に冬場はガラスが曇ってしまいます。 除湿をするためにカーエアコンの使用は必要ですが、こまめにオン・オフを切り替えたり、風量や設定温度を下げたりすることで燃費の悪化を防止することができるでしょう。