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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「別荘」文化の消滅

まあ、これも世の中全体が貧困化して余裕が無くなってきたからだろうが、「別荘を持つ」ということ自体はやはり或る種の価値はあると私などは思う。ただ、その別荘が無人の間の管理の安全性や維持費用などを考えると、やはり「小金持ち」でないと別荘は持てないのだろう。


(以下引用)


伊豆の別荘が“マイナス50万円”でも売れない? 空き家問題で増え続ける「マイナス価格物件」の実態 (2/5)

[辰井裕紀ねとらぼ]

-50万円で手に入れても、諸費用が300万円かかる

── 管理費や初期費用はどれぐらいかかるんですか?

相山:まず水道維持協力金が約43万円、登記費用が約10万円など全部ひっくるめて、初期費用が約100万円かかります。つまり、100万円あれば自分のものにはできます。

── 私も買おうと思えば買えますね。

相山:でも、浄化槽の問題がややこしくて。このエリアは別荘を作ったときに集中浄化槽を作ったらしいんですがそれがうまく機能しなくて、今は浄化槽を個別で作る必要があるけれども補助金が出ないんです。それを作るのに90万円はかかります。

 それから、駐車場を作るのに100万円はかかりますね。

── とすると、もろもろ合わせて約300万円。さらに自動車も必要でしょうね。バス最寄り駅の伊豆アニマルキングダムからは約2.2キロあり、Googleマップによると75メートル登って、111メートル降りるほどの上がったり下がったりの山道。これで徒歩はキツい。


筆者はマイカーなど持っていないので、今回の物件まで徒歩で移動。延々と続く山道を越え……


南熱川別荘地の入り口を通過して……


やっと今回の物件に到着(画像真ん中)


裏側から見たところ

相山:さらに、リフォームをどれだけやるかにもよっても初期費用が変わります。「そういった費用を50~80万ぐらい負担してもいいから売りたい」ということで、マイナス物件になっているわけです。

別荘を持たなくなった日本人

相山:この南熱川の別荘地も240区画あるんですけど、ちゃんと使われているのはたぶん3分の1くらいだと思います。

── 残りの3分の2は空き家ですか?

相山:空き家というか、もう使われていない土地ばかり。管理費も払ってない状態になってるとか、相続されても全然手続きがされていないとか。

 相続人も行方不明になっちゃって、分かる範囲でやっているみたいです。本当は追いかければお金を取れるんですけど、管理会社もいちいちなかなかそこまで追っかけないので。そんな状態のところは次の人へ物件を処分しにくいって面はありますよね。

── かつての別荘像がガラガラと崩れていきますね。


周辺には、すでに廃屋となっている別荘も

相山:私も70なんぼですけど、昔、熱川は憧れの別荘地だったんです。

── 今は「別荘」という文化自体が薄らいでいるんでしょうか。

相山:ライフスタイルが変わって、家族で車に乗って別荘で1~2泊していくことも減って。共働きで奥さんも別荘どころじゃない、子どもも塾や部活で忙しいから、家族みんなで土日に遠出するする行動パターンがなくなってきてしまったんですね。

── 若い人は車にも乗らなくなりましたしね。

相山:少子化だし車にも乗らない。別荘からはなおさら遠ざかりますね。

 田舎の普通の家だって、今はほとんどいらなくなってきてるわけじゃないですか。だから別荘地ってもう、売主さんが50万~100万とか払わないと買ってもらえないんですよ。

不動産サイトに隠れた「マイナス価格物件」

 取材後、この伊豆物件は売却が決定し、売主が50万円負担する形になったといいます。このように「マイナス価格でもいいから、誰かに物件の所有権を渡したい」という人は後を絶たないとか。その理由を、リライト代表・田中裕治さんに伺いました。

── 今、マイナス価格の物件って多いんですか?

田中:表示上はマイナスにできないのですが、“実質マイナス価格”の物件はあって。使っていなくても維持費がかかってしまうので、売却にかかる経費を払ってもいいから売りたい方は多いですね。

 何もせず毎年10何万円払うよりはマシということで、特に別荘地なんかはもうほとんど。

── ほとんどマイナス?

田中:ごく一部をのぞいてほぼマイナス価格ですね。軽井沢、熱海以外は厳しいです。

 例えば、伊豆半島はよっぽど管理費が安くて、しかも管理が行き届いているところじゃないと買い手が見つかりません。



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