大和市の市立小学校で昨年、保護者の暴力団関係者が児童間のトラブルを巡って、他の保護者に土下座を強要するなどしていたことが7日までに、関係者への取材で分かった。
保護者有志は当時の校長ら学校側の対応が不適切だったとして、市教育委員会に第三者による検証を要請。
市教委は神奈川新聞社の取材に「当事者の児童が特定される」などとして検証内容を明らかにしていない。
校長「謝った方がいい」
関係者によると、昨年8月以降、保護者の暴力団関係者が「自分の子どもがいじめられている」などと学校側に訴えた。
関係する保護者同士で話し合いが行われたが、同12月、暴力団関係者が自宅に保護者の夫婦を呼び出し、「家族全員ぐじゃぐじゃにしてやろうか」などと怒鳴って謝罪を要求し、土下座を強要した。
相談を受けた大和署は今年2月、強要容疑で暴力団関係者を逮捕。同5月に執行猶予付きの有罪判決が出た。
関係者によると、同様の行為は、ほかの複数の保護者にも及び、暴力団関係者が学校側に校長室などに関係する保護者を呼び出すよう求めたこともあった。
関係者は神奈川新聞社の取材に「『いじめていない』と主張した児童がいたにもかかわらず、学校側は十分に確認せず、当時の校長らから『暴力団関係者だから早く謝った方がいい』との趣旨の助言があった」などと証言した。
また、学校側が昨年11月に開かれた運動会の代替行事に、この暴力団関係者の仲間の立ち入りを容認したことも判明。
コロナ禍で行事の参観人数は制限されていた。児童が怖がり、不安を感じた保護者が学区外に転居する事態にもなったという。
第三者による検証求める