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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

日常の中のインテリジェンス

安達裕哉という人のブログから転載。
なかなか示唆的な内容である。
情報の表面だけを読むというのは、言ってみれば、人間はすべて正直な発言をする、と信じることである。だが、実際の人間は言うまでも無く嘘ばかりついている。情報の中から隠された真実を見抜くことがインテリジェンス(諜報活動でもあり、知性でもある)というわけだ。

(以下引用)


医師の知人から聞いた話だ。

その知人がまだ駆け出しの医者だった頃、小さい子供が「お腹が痛い」と病院に来た。だが、彼が腹部を診ても何も見つからない。なぜ子供が「お腹が痛い」とこれほど訴えるのか、彼はすっかり困ってしまい、上司に相談した。

「お腹がいたいと言っているんですが、何も見つかりません。胃腸炎か何かでしょうか?」

すると、その上司はいった。

「バカヤロウ、お前は何を診ているんだ。」

 

そして上司は子供に向かって言った。

「本当に痛いのは、お腹じゃなくて、おちんちんじゃない?」

子供は頷いた。

子供は恥ずかしくて、「お腹が痛い」と言ったのだ。

 

先輩の所見は「睾丸捻転症」。放置すれば危険なこともある。

知人は「僅かな情報から、多くの事象を読み取ること」の凄さを思い知ったそうだ。

 

 

こうしたことが、「経験を積めばだれでもできる」と思うのは間違いである。

経験を積んでも、知識を積み上げても、残念ながらこうした「インテリジェンス」に係る件は「気づかない人はいつまでも気づかない」のだ。

地頭を良くしようとするならば、「インテリジェンス」を意図的に働かせることが必要なのだ。

 

この細部に気づく、意図を読み取る、内部の法則性を読み取る、などの意識の働きが強い人を、おそらくは「地頭の良い人」と呼ぶのだろう。



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