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青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳
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そしてこれらインドにおいて発達したヨガ・瞑想の意識変容スキルこそ、オウムが信奉を集めていく大きな要因だった。'85年11月、オウム初の合宿に参加した80名もの男女に、麻原はシャクティパットなるヒンドゥー伝来の儀式を一心不乱に行い、参加者は次々とクンダリニーという状態を起こす。クンダリニーとは尾てい骨から頭頂部へと熱いエネルギーが上る感覚を伴う変性意識の状態だ。瞑想とヨガのマニアだった麻原のこと、シャクティパットによってクンダリニーをもたらす技術には長けていたのだろう。
シャクティパットによってクンダリニーをもたらすという技術
もっとも、これに類する意識変容は、ヒンドゥー以外でも原始系仏教の修行、或いは諸民族の伝統的ドラッグの摂取など広く見られるものだ。かつ重要なのは、それら全ての信仰文化において「幻視体験そのものを重視している訳ではない」ことを注意しなければいけない。そんなものは肉体に特殊な負荷を与えたことによる生理現象の一つであり、物の見方を相対化するための作業に過ぎないからだ。
また熟練者がしっかりサポートすることで安全性を高めるのもクンダリニーの定説である。非常な快楽が伴い、通常意識を変性させてしまうため、洗脳などの危険に結びつきやすいからだ。だが麻原は自らのカリスマと組織の巨大化のため、それを利用する道を選んだ。次第に会員数を増したオウムの会は、宗教色の強い「オウム神仙の会」と名を変え、ついには「オウム真理教」として宗教法人の認可を目論むようになる。そしてその背景となったヨガ・瞑想スキルの乱用こそが、最初の無残な暴力を生み出すキッカケにもなってしまった。