(CNN) 必要に駆られて少量の食品を盗むことは犯罪には当たらない――。スーパーで食品を万引きして窃盗の罪に問われたホームレス男性の上告審で、イタリア最高裁がこのほどそんな判決を言い渡した。
ウクライナ国籍のロマン・オストリアコフ被告(36)は2011年にスーパーマーケットでソーセージとチーズ4.07ユーロ(現在のレートで約500円)分を盗んだとして窃盗罪に問われていた。
レジでは盗んだ食品を上着の下に隠してパンの代金のみを支払っていたが、別の客が店員に告げたことから盗みが発覚し、警察に逮捕された。
2013年の一審では窃盗罪で禁錮6年と罰金100ユーロの有罪判決を言い渡し、15年の控訴審判決も一審を支持した。
しかし最高裁はこの判決を覆し、必要に駆られて少量の食品を盗む行為は犯罪には当たらないと判断。「被告人は緊急かつ不可欠だった栄養摂取のために少量の食品を手にした。従ってこれは必要性に駆られた状況における行為だった」と認定し、無罪を言い渡した。