頭痛と高血圧
ここでは、頭痛と高血圧には関係は無い、という立場のようだ。
(以下引用)
高血圧について
高血圧について
現在、高血圧症患者様は日本に2~3千万人いると言われ、いわゆる生活習慣病の一つです。高血圧が長期にわたって続くと、いわゆる「血管病」、中でも動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などを突然起こしますが、他の生活習慣病の糖尿病やコレステロールや中性脂肪が高くなる高脂血症と同様、通常は症状に乏しく、放置されやすい病気です。症状と言えば、よく昔から血圧が上がって頭が痛いと言いますが、最近になって頭痛と血圧は無関係であることまで証明されてしまいました。まさに、サイレントキラー/静かなる暗殺者と言えると思います。
高血圧はなぜ起こるのか?
そもそも、血圧がどう成り立っているかと言うことですが、心臓から送り出される血液の勢いとその受け入れ場所である血管の柔らかさによって決まると考えてください。すなわちポンプである心臓の出口から出てくる水の勢いがその受け入れ先である血管で受け止められますが、押し出す側の力と受け止められる側の柔軟性の掛け算であるわけです。
では、なぜ高血圧が起こるかと言うと、まずひとつには心臓から出てくる血液が増えることがあります。ただし、特殊な病気を除いて勝手に心臓が勢いよく動くことはありませんから、増えるとすれば血液量が直接増えること、すなわち塩分の摂りすぎと考えられます。勿論、運動などで心臓の拍出が増えて血圧は上がることになりますが、この場合の上昇は自然に収まるものなので問題はありません。次に血管が柔軟性を失い硬くなると血圧は上がります。すなわち動脈硬化ということになります。また様々なストレスも血管の過度の緊張を招き、柔軟性を失わせ、血圧上昇の原因となります。
高血圧が何を起こすのか?
では、高血圧は何を起こして来るかということになりますが、基本的に血管の障害と考えて頂ければ良いと思います。その標的臓器すなわち、障害を受けやすい場所は、心臓、腎臓、脳が代表です。はじめに申し上げたように血圧の上昇のみによる症状の出現は基本的にありませんから、臓器障害が出て初めて症状が出るということになります。すなわち、心臓であれば心不全になったり、狭心症や心筋梗塞を招きます。腎臓では腎不全、脳では脳卒中ということになります。心不全や腎不全は比較的ゆっくりした経過で出現しますから、心筋梗塞や脳卒中は突然の変化であり、その日から人生が180度変わってしまう人がたくさんおられます。
血圧コントロールの目標値は以前の高血圧の基準より低く、細かくなっております。昔は高血圧と言えば、160/90を境としていましたが、現在では140/90が基準で、135/85でも正常と言ってもらえず、正常高値という言い方になってきております。これは、研究の進歩により臓器の障害はより低い方が妨げることがわかってきたためです。私たちは基準として50歳位までの方では、135/85以下、それ以上のお歳の方では約10ずつ高くしても良いとしております。しかし、ご本人さんの他の病気や病状によっても更に細かく基準が定められております。なぜなら、血圧のコントロールは何より動脈硬化の予防のためですから、他の動脈硬化進行因子があるときはより厳しくコントロールする必要があるからです。すなわち、これらはあくまで一般的な数字上の目標値でしかありません。
高血圧患者の危険度分類
血圧のコントロールについてはあくまで他の危険因子との兼ね合いが非常に大事であり、高血圧学会がリスク要因と血圧の程度によって危険度を分類し治療の方法の選択の基準としております。リスク要因で注目して頂きたいのは、糖尿病が重視されていることで、糖尿病と高血圧の組み合わせが大変危険であることがわかります。このように危険因子が多ければ多いほどより確実で急いだ血圧のコントロールが必要であるということです。
高血圧の治療
高血圧の治療についてご説明します。治療は二つです。
一つは、生活習慣の修正ということになります。そして二つ目は薬物療法となります。
まず、生活習慣ですが、6つの項目があります。一つ一つについてこれからご説明します。これらは、血圧のためだけでなく、糖尿病や心臓病、脳梗塞など全ての生活習慣病にとって同じ問題点であり、気をつけることであることを理解してください。元気で長生きのためにはこれらを修正実行する必要があるということです。
生活習慣の是正
薬物療法
高血圧に対する薬物療法は下記のように様々な薬物があります。
- 利 尿 剤 …… 尿量を増加して血液量を減らす。
- 血管拡張薬 …… 血管を拡張する。
- 神経遮断薬 …… 心臓への余分な刺激を抑える。血管の緊張をとる。
- レニン・アンギオテンシン系薬という昇圧ホルモンを抑えて血管を拡張したり、利尿を促したりする。
以上、4つに大別されます。
これらはそれぞれに特徴、欠点があり、個々の患者様に応じてこれらの薬物を単独で、あるいは、組み合わせて使用します。薬についての具体的な内容は主治医にお尋ね下さい。